秋田の秘湯・不老ふ死温泉。
インフィニティ・プールが発明されるはるか昔に、海と一体化した温泉を開設した一軒宿です。
どこまでも続く水平線へ日が沈み、海と空とお湯が等しく金色に染まる瞬間を求めて全国から旅人が集まる最果ての人気宿。
運良く部屋が取れたので、電車とバスを乗り継ぎ絶景の露天風呂へと向かいました。
※インフィニティ・プール:プールの水面と水平線を平行にして縁から水を流す事で、海や湖とプールが一体化したかのように思わせる設計のプール。
アマン・ダリやマリーナ・ベイ・サンズなどが有名。
ワイルドな温泉とボリューム感極まる食事!はるばる向かう価値ある温泉宿。
秋田駅からリゾートしらかみに乗って最寄り駅のウエスパ椿山へ。
そこからシャトルバスへ乗り換え、2時間強ほどで不老ふ死温泉へ到着します。
上下線含めても一日10本ちょっとしかないローカル線か、スピード出せないくねくねした道を運転しないとたどり着かない陸の孤島。
笑顔がまぶしい従業員に案内されたのは、深い紺碧の海が美しいオーシャンビューの部屋でした。
そう、ここ不老ふ死温泉はシングルルームのある温泉旅館なんです。
温泉旅館というと、予約断られたり閑散期しか『一人旅プラン』なかったりして泊まりにくい所が多いです。
無事宿に泊まれても、食事の時間がとってもつらい。今回初めて一人で温泉旅館泊まったのですが、乳頭温泉では大広間の中カップルとファミリーに包囲されての夕飯でした。
『なんで一人なんだろ』と言いたそうな周囲の視線を浴びながら飲むビールは、いつもよりも苦い味がしましたね。
その点こちらは、もともとシングルルームが用意されているので『ボッチは自分だけ』という事もありません。
1泊2食で1万1000円と料金も良心的ですし、一人旅にも優しい温泉旅館と思いました。
海!風呂!空!絶景の露天風呂に癒される。
インフィニティ・温泉が名物の不老ふ死温泉。
入浴できるのは日の出から日の入りまで、波が高い時は立ち入り禁止となる自然のままの露天風呂です。
浴室は、混浴と女湯の2つ。
『男湯に女も入っていい』タイプの混浴温泉です。
混浴と女湯は150cmないくらいの岩で区切られているだけ。
当然、着替えてる最中にちらちらお隣の様子が見えてしまったりするのですが……これもまた旅情でしょうか?
特に気にする事なく、サクッと脱いでお湯に浸かる女性達が印象的でした。
混浴側もとってもおおらかな雰囲気でした。
仲良く入るカップル、海で泳ごうとする子供を止めるお母さん、悟りを開いたかのような穏やかな表情のおじいさんまで、老若男女がひとつの風呂に同居しています。
『女をガン見する』とか逆に『いないモノとして扱う』といった感じではない、ごく自然な世界。
ここは秋田からも青森からも2時間以上かかる、『ワニ』するにはあまりにも遠い北国の秘湯。
純粋に旅と温泉を楽しむ方々が集まると、こんなにまったりした雰囲気になるのかと関心しました。
※ワニ:女性のハダカ目当てに混浴へ来る男の蔑称。風呂に浸かり目だけぎょろぎょろさせてターゲットを待ち構える姿から『ワニ』と呼ばれる。※
お魚いっぱいの食事♡新鮮な魚介類に圧倒される。
網元が経営している事もあって、夜ごはんも朝ごはんも新鮮な魚介類がこれでもか!という勢いで提供されます。
サザエ、帆立、ブリ、そして本マグロ(!)と獲れたてぴちぴちなお魚をふんだんに使った豪華な夕食。
生臭みやイヤな雑味が感じられないサザエ、もっちりした食感が魅力的なマグロ、昆布とお魚のダシが合わさった海鮮鍋。
何を食べてもおいしい、素材の良さを最大限に生かした海鮮料理でした。
そして朝ごはんはバイキング形式なんですが、なんと!とれたてぴちぴちなブリが!!食べ放題なんです!!!
朝から日本酒飲みたくなっちゃいますよね(・∀・)
古き良き湯治場の雰囲気を残したおおらかな混浴温泉。
シングルルーム完備と、一人旅にも優しい近代的な設備。
そして、日本海に揉まれ身の締まったお魚をふんだんに使ったお食事。
予約取るのが難しいのもうなずける、素敵な温泉宿でした。
不老ふ死温泉の公式HP。
不老ふ死温泉 公式ホームページ
では、今日はこのあたりで。