喫茶マウンテン、それは『小倉抹茶スパ』『イチゴスパ』といった超独創的なメニューで知られる喫茶店。
入店は『登山』、完食は『登頂』、料理の味にリタイアする事を『遭難』と用語ができるほど、危険で難易度の高いお店です。
日本百名山には入っていない『名古屋の霊峰』へ、久しぶりに登ってみました。
山に登るということ。
地下鉄八事日赤駅から約10分。
隣の保育園から聞こえる子供達の声に包まれて、マウンテンは静かに佇んでいました。
まるで普通の喫茶店のように。
ガイドブックではなぜか『名古屋メシ』として紹介されるこのお店。
土日になると観光(?)客でいっぱいのようですが……今日は平日。
コーヒー飲んでるサラリーマンと、とにかく質より量を求める学生がいるだけですね。
そう。
この店で完食する障害は、料理の味だけじゃない。
一つ一つの量が多いのが一番のヤマなんです。山だけに。
『え、オレが食べるんですか~?』
店の奥からは悲鳴にも似た会話。
『マジですか?勘弁して下さいよ~。』
『ガンバレ~。』
助けを求める若い男と、気のない応援する複数の声。
おお……。
わかるぞ、私には分かるぞ……。
キャンパスライフをはじめたN大の新入生が、騙されるようにして連れてこられたのが手に取るように分かるぞ……。
やり口は極めて単純。
サークル見学に来た新人ちゃんに
『お腹すいたでしょー?今からメシ行くんだけど、一緒に来ない?おごるよー?』
と、気前いい先輩ぶって連れてくるだけ。
……学生生活の風物詩。
春が来るたび私も、食ったり食わせたり喰らわせたりしていました。
懐かしい。全てが懐かしい。
感傷に浸っている私の元へ、今日の昼ご飯が到着しました。
『お嬢娘』と『ブランデーレモン』。
しめて1400円なり。
Twitterで画像が流れてきてから、気になって仕方なかったんですよね。
読み方は『おじょうさま』。
オッサンが頼んでもお婆さんが頼んでも、筋骨隆々のマッチョが頼んでも、提供の際の言葉は『おじょうさま、お待たせしました』。
ポニョ、山を登頂す。
イチゴが乗った三段重ねのホットケーキの中に、たっぷりのアイスとホイップクリーム。そして一口大のケーキが何個も!
さすが喫茶マウンテン。
デザートメニューもボリュームが違いますね。
写真:マウンテンの公式Twitter。
喫茶マウンテン (@kissa_mountain) | Twitter
甘口イチゴスパとは違って、普通に冷たいイチゴ。
特にヤバいブツも練り込まれていない、シンプルなホットケーキ。
ティラミス風味のケーキとバニラアイス。
全て一般的な材料で形成されているのに、どうしてこんなに完食するのがつらいのでしょう?
食べれども、食べれども、わが皿は空になりぬ。
じっと手を見る。
誰とも辛さを分かち合ないままひたすらスプーンを口に運ぶ。
青春を満喫している学生達に混じって一人食事するのが、こんなにつらいなんて思いもしなかったのでした。
それでも山へ登るあなたへ。
ハンパなく量がある為、一人で完食=単独登頂はまず難しいです。
- ヤバいメニューと普通の料理をバランスよく頼む。
- メニューは2~3人前と心得る。
- 諦める勇気。
これらを頭に入れて向かって下さい。
以上、胃もたれして苦しんだポニョのレポートでした。
●Twitterと食べログ●
口コミや感想を見ているだけで面白いです。
衝撃的な料理の数々をどう表現するか、皆さんの語彙とセンスがすごい。
『幸せな家庭は一つだが、不幸な家庭は星の数ほどある』ついこの言葉を思い出してしまいました。